アレン、アカデミー授賞式に初めて出席2002年03月24日 07:24

タキシード姿でアカデミー

これまでアレンは、自分の作品がアカデミー賞を受賞したり、ノミネートされた時でも授賞式に出席したことがなかった。「アニー・ホール」が監督賞と作品賞を受賞した時にも、マイケルズ・パブでの毎週定例のジャズ演奏会でクラリネットを吹いていたのは有名な話だ。

そのアレンが、3月24日(日)に行われた2001年のアカデミー授賞式に初めて出席した。2001年の同時テロで大きな被害を受けたニューヨークに対する支援を呼びかけるためであり、彼はノラ・エフロン監督が編集したNYを舞台にした映画のクリップを紹介した。

アレンが登場したのは、ロサンゼルス時間で午後6時17分頃、編集賞の授賞式の後だった。アレンが登場すると、会場はこの日初のスタンディング・オベーションで彼を迎えた。

「どうもありがとう。裸にされて身体検査を受けた甲斐があったよ」

こう言って会場を笑わせた後、アレンは4週間前にアカデミー賞の主催者から電話がかかってきた時のことを語った。

「オスカーを返せって言われるのかと思って、パニックになった。質屋が店をたたんで何年にもなるので、もう取り戻すことは不可能だったしね。」

「でも、そんな話じゃないという。訳が分からなかった。私の作品は今年はノミネートされていなかったからね。するとひらめいた。多分、彼らは謝罪するために電話してきたんだろうってね」

あるいはホームレスに50セント恵んだことに対し、アカデミー人道賞を受賞するのかもしれないと、半信半疑で思ったとも語る。

「アカデミー会員の誰かが見ててくれたんだと思ったね。」

その後、アレンはニューヨークに対する自身の深い愛情について語り、映画のクリップが上映された。

「ニューヨークのためなら、私は何でもやるつもりだ。だからタキシードを着て、ここまでやってきたんだ」

「ニューヨークはとても素晴らしい映画の街だ。映画のための感動的でエキサイティングな背景であり、これからもすばらしい街であり続けるだろう」

クリップに含まれた映画は、アレンの「アニー・ホール」や「マンハッタン」のほか、「ゴッドファーザー」「波止場」「フレンチ・コネクション」「ティファニーで朝食を」「トッツィー」「42番街」「サタデーナイト・フィーバー」「タクシー・ドライバー」「フェーム」「ゴーストバスターズ」「キングコング」など。

スピーチ後、舞台裏でアレンは記者に語った。

「私は賞の好きな人間じゃない。どんな形にせよ、芸術の競争には賛成できないんだ」

「かなり悩んだけど、ニューヨークのために何かをしたいという気持ちがあった」

「絶好の機会が銀の皿で出されたようなものだった。ニューヨークはとてもつらい試練を受けたんだ。ノーとは言えなかったね」

http://news.bbc.co.uk/1/hi/in_depth/entertainment/2002/oscars_2002/1891867.stm