「望郷 サンダカン八番娼館」2007年09月23日 06:44

「望郷 サンダカン八番娼館」をDVDで見る。熊井啓監督の代表作。よくできているし、力も入っている。田中絹代と高橋洋子の演技が素晴らしい。天草ロケも効果的な映像をもたらしている。ただ欲を言えば、これは原作の問題かもしれないが、主人公たちカラユキさんがなぜ日本に背を向けた墓標を立てるほど、日本を憎むに至ったか、そのへんの突込みがもう少し欲しかった。主人公への周囲の冷たさを、帰国した時の兄夫婦に集約していたが、主人公が「故郷に裏切られた」と感じるにはもう一押しあってもよかったと思う。現代の場面で、栗原小巻がジャーナリストと知った村人が大勢で田中絹代に詰め寄るシーンでは、村人の閉鎖性といやらしさをとことん描いていた。あのノリが回想シーンの方にもあればよかったと思う。

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